始まり

私に緘黙の症状が出たのは小学校入学時でした。
それ以前から大人しくあったのですが、小学校に入ってから完全に話せなくなりました。

その時のことはもうあまり覚えていませんが、常に緊張して不安感に覆われていた感覚は残っています。
入学式が終わって、本格的に授業が始まって、というときに先生に当てられても何も言うことができませんでした。
とても緊張して話すどころではありません。ただただ緊張だけが私を支配して、動きもぎこちなかったのに喋るということは到底できるものではありませんでした。

今思えば緘動も入っていたのだろうと考えられます。

異様に字を書くのが遅くて、いちいち丁寧に書かないと駄目な気がして。気に入らないと何度も消して書いてを繰り返していたように覚えています。
作文も書けませんでした。
何を書けばいいかわからないのです。
楽しかったとか嬉しかったとかそんな簡単なことさえも書けなくて、自分でもなんで書けないのか全くわかりません。そもそも、話せない私が楽しいや嬉しいと感じたわけがないので、一人だったので寂しかったです、とは書けなかったというのも理由にあると思います。

そこからもう、ずっと話せずに小学校6年間を過ごしました。